先日カフェで仕事をしている時、
隣のテーブルにスーツを着た男性が
3名座って打ち合わせをしていました。

気にせずに仕事を進めて、
さて退店しようと席を立った際に
たまたま聞こえてきた言葉がありました。

「この商品は付加価値もあり、商品力が高いので売れますよ」

商品力という言葉が
妙に耳に残ったので思わず
スマホにメモして会計を済ませました。

その後、移動中に
どうにも先ほどの言葉が引っかかり、
ぐるぐると考えてしまいました。

「果たして、商品力があれば売れるのか？」

高い商品力＝売れるってホント？

商品力って何でしょうか？

検索してみると
商品そのものが持っている価値や
お客さんにとっての魅力的なポイントだそうです。

では商品力が高い状態は、
商品そのものの価値が高く、
お客さんにとって魅力のあるもの。

そんな商品なら売れる・・・。


私にはどうしても、
この方程式がイコールにならないのです。
あなたはどう思いますか？

もちろん私も、
そもそも商品力が無いモノは
売れないだろうし売ったらダメだと思います。

とはいえ商品力があれば売れるってのは
いささか乱暴だなぁとも思うのです。

売れる近道は宣伝力や販売力じゃない？

でもよくよく思い出すと、
売上を上げるために商品力を高めようとする
経営者さんは実際に多いな～と思います。

「より良いものを作れば売れる」

と信じて、
高額な設備投資をしたり、
長期に渡る商品の改善に取り組んだり。

もちろんそれが間違いとは言いません。


でも広告・販促の世界にいる私には、
商品力を上げるよりも「宣伝力」「販売力」の方が

「売れる」

ことへの近道ではないか、と思っています。


なぜなら、

「ビデオ戦争」

を子供ながらに見ていて
思うところがあるからです。

VHSとベータの戦争

若い方は知らないかもしれませんが、
家庭用ビデオとして覇権を獲ったのはVHSという規格で、
その当時、ベータマックスという対抗規格がありました。

我が家はベータ派でしたが、
確かこちらの方がVHSと比べて

・高画質
・高機能
・高性能

だったと記憶しています。
つまりVHSよりも商品力があったと言っても、
過言ではないと思います。

しかし最終的に
覇権を獲ったのはVHSです。


その要因は色々言われていますが、
販売網の差だったり、VHSの方が簡単な作りで
扱いやすかったというのもあるそうです。

またアダルトビデオが
VHS規格で流通したことで、
目にする機会が多かったというのもあるようです。

商品力の高いベータに勝ったのはVHS

どちらにしても、
ベータよりもVHSの方が
それを購入するお客さんにとって

「良いものだ」

と認識できるほどの、

・宣伝力
・販売力

があったのではないでしょうか。

それは例えば

・目にする機会が多かった（接触頻度が高い）
・価値を実感できる提案があった（低価格）

などもあるかもしれません。


いや、それすら
「商品力だ」と言う声もあるかもしれません。

ただどちらにしても、
商品力というのは購入するお客さんによって
大きく左右される気がするのです。


それよりも
宣伝と販売に力を入れて
より多くの人の目に触れる機会を作るほうが

「売れる」

未来に近づく気がします。

あなたはどう思いますか？


追伸
ちなみに我が家はベータ派でした。

なので小さい頃のホームビデオは
全てベータで撮影されていたので、
VHS全盛期には再生機器も我が家にはなく・・・

めっきり見返すこともなくなりました。


追伸2
ベータは確かに商品力は高い。
けれど、お客さんにとっての価値では
VHSの方に軍配が上がった。

その価値を認知させたのは
VHS陣営の宣伝力と販売力なんじゃないかな～と
私は思っていますが、どうでしょうか？