最初に断っておきます。

もしかしたら私は今日、
あなたを怒らせてしまうかもしれません。

なぜなら、今日のブログ記事は
日本の商習慣に対して、疑問を投げかけるような
内容かもしれないからです。


この1月は、仕事始めの挨拶回りなどで、
取引先・得意先に伺ったり、逆に訪問を受けるような方も
いらっしゃるのではないでしょうか。


私も実際に、

「社長さんいらっしゃいますか？」

と言って事務所にアポ無しでやって来る方々の対応を、
弊社の代表に代わって承ったことが過去に何度もあります。


ただ、私個人としては、
こうした挨拶回りを「アポ無し」で来るというのは、
基本的によろしくないと考えています。

というのも、訪問者の皆さんはなぜか、
訪問先の会社の社長さん目当てでやってきます。

「社長さんいらっしゃいますか？」

この言葉ががたとえ建前だったとしても、
訪問者は絶対に言うべきではありません。


なぜなら・・・

私たちビジネスマンは限られた時間で、
最大限の利益を生み出さないといけません。


それは従業員だけでなく、
会社の社長さんであっても同じです。

というよりも本来、
社内で時間単価が最も高くあるべきの経営者は、
アポ無し訪問者のために時間を使うのは合理的ではありません。

二代目社長とアポ無し訪問者

これは私のクライアントさんの話です。

この方は中小企業の二代目社長さんなのですが、
今も従業員と共に現場に立って働いていらっしゃいます。

そんな社長さんの元には、
当然のごとく、アポ無しの訪問者はやってきます。

飛び込みの営業マンはもちろん、
取引している納品業者や、毎週買いに来るお客さん。

数多くの人々が

「社長さんいらっしゃいますか？」

と言いながらアポ無しでやってきます。

そしてこの2代目社長は、
この来客対応を自分で行っていました。

従業員も、幹部でさえも、

「社長、○○さんがお越しです」

と取り次いでくるので、
ハイハイと、対応していました。

無自覚社長への質問

私はこの一連のやりとりを、
広告の打ち合わせ中に横から眺めていました。

そして思い切って2代目社長に質問しました。

「アポ無し訪問者は週に何人来るんですか？」

これに対して、驚くべき返答がありました。

「なんだかんだ毎日一人は来るけれど、忙しい時はすぐ帰してる」

まずここに、
無自覚の恐ろしさが垣間見えていますね。

すかさず私は次の質問をしました。

「訪問者の対応には一人あたり平均何分かかりますか？」

それに対しての答えは、

「早ければ3分で、長くても15分くらいかな」

・・・あなたはこれをどう思いますか？
一度、この状況を数字にしてみましょう。

あなたも計算してみてください

この2代目社長は、週二日休みです。

5日稼働だとして、毎日一人3分ずつ対応。
それを1ヶ月を4週間とすると、、、

5日×3分×4週間　＝　60分／1ヶ月あたり


これが一人15分ずつの対応なら、、、

5日×15分×4週間　＝　300分／1ヶ月あたり

数字にすると大きいですよね。

たった1日3分～15分。

そんな短い時間であっても、
アポ無し訪問者の相手をしてしまうだけで、
1ヶ月あたり60分〜300分を使っていることになります。

実際に、この2代目社長は、
この数字を見てため息をついていました。


なぜなら1ヶ月あたりの時間は、
ビジネスによっては商談1件分、施術1回分、
営業活動1日分の時間に相当するような時間だからです。


社長であるあなたが、
アポ無し訪問者の相手をするというのは愚行！


とまでは言いません。

が、この数字を見る限り
「合理的とは思えないこと」というのは
ご理解いただけたのではないでしょうか？

社長の時間を奪うのは社長自身

話を最初に戻します。

もしあなたが、
年明けの挨拶回りをアポ無しで行っていたとしたら・・・。

相手先の方の大切な時間を無自覚で奪っていることを、
きちんと理解しなければいけません。


社長の時間を奪うのは社長自身です。

あなたは会社の中で一番、時給の高い人間であることを理解し、
アポ無し訪問者を相手にしない、そして、ならないようにしましょう。

こうした合理的な習慣があなたの時給を上げ、
結果的に販売価格の最適化（客単価アップ）になります。


追伸
ビジネスをすべて合理的に考えろ、とは言いません。
私としても、挨拶回りという商習慣は残すべきという立場です。

が、挨拶回りをしたいのなら、
事前にアポは入れるようにした方がいいです。

アポ無し訪問が最も良くない理由は、
相手の作業の手を止めさせ、集中を切らすこと。

これは一番やってはいけないことです。

挨拶に伺う際は、あらかじめ予約をするだけでいいのです。
せっかくお会いするなら、双方にとって価値の高い時間にしましょう。


追伸2
今日のブログを読んだあなたへ、
もう一つ読んでほしい記事があります。

→社長が忙しいのは誰のせい？

↑こちらの記事です。